気になる「ぽっこりお腹」が姿勢を直すと凹むってマジですか?

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「腕や足はそうでもないのに、お腹だけぽっこりしていて恥ずかしい……」

気になるぽっこりお腹の原因を、単に太ったからと考えている人が多いのではないでしょうか。もちろん、食生活や習慣も重要ですが、そればかりではありません。

近年、若者世代を中心に増大していると話題の「ストレートネック」「スマホ首」。これらのような姿勢の乱れも、体型に大きな影響を及ぼします。 姿勢を正すだけで、ぽっこりお腹を改善できるとしたら? フィットアゴー!の開発者である川人将裕と長谷川駿介が、“姿勢”の観点からぽっこりお腹の原因とリスク、そして改善策を解説します。


川人 将裕(かわひと まさひろ)

フィットアゴー!開発総指揮。
姿勢の乱れとは無縁の元バスケットボール少年。

長谷川 駿介(はせがわ しゅんすけ)

フィットアゴー!のサービスデザイナー。
姿勢の乱れとは無縁の元野球少年。


反り腰や猫背による骨盤の前傾・後傾でお腹がぽっこり

腹部がポコッと張り出してしまう「ぽっこりお腹」。かつては加齢による体型の崩れの代表格でしたが、最近では若者世代にも増えてきているようですね。痩せ型にも関わらず、ぽっこりお腹に悩んでいる人が多くいるそうです。

若者のぽっこりお腹、由々しき問題ですね。私はその原因のひとつに、姿勢の乱れがあると考えています。

姿勢の乱れというと、猫背や反り腰のことでしょうか?

その通りです。他にも最近ではスマホ首やストレートネックなんて言葉も生まれていますが、これも基本的には猫背と同じと考えて良いでしょう。

反り腰はお腹が突っ張るような姿勢なので、ぽっこりお腹につながるイメージがつきやすいですが、猫背もぽっこりお腹の要因になるというのは、一般的には理解しづらいかもしれません。

反り腰は、腰が前に反って骨盤が前傾している状態です。猫背は反対に、背中が丸まることで腰も丸まって、骨盤が後傾している状態。骨盤が後傾すると、恥骨のあたりが前方に突出して、下腹部がぽっこりと張り出すわけです。

骨盤が前傾しても後傾しても、どちらにせよぽっこりお腹につながってしまう、ということですね。

見た目にお腹が突出してしまうことはもちろん、重要なのは反り腰も猫背も腹筋を中心とした体幹の筋肉を使いづらい姿勢ということです。

骨に体重をかけて立っている状態ですよね。言うなれば、筋肉を使うことをサボっている姿勢。

反り腰や猫背は、背中痛や腰痛につながるリスクがあり、最悪の場合、骨が変形してしまうこともあるので、注意してもらいたいです。

姿勢悪化と脂肪増大が連鎖する負のスパイラル

姿勢の乱れによって筋肉をつかわなくなると、脂肪がついてぽっこりお腹がさらに助長されていきますよね。姿勢が乱れて脂肪がつき、それによってさらに姿勢が悪くなって、また脂肪がつき……。まさに、姿勢悪化と脂肪増大の負のスパイラル。恐ろしいですね。

ぽっこりお腹で張り出した脂肪は、内臓脂肪であることが多いと考えられています。皮下脂肪ではなく、内臓についた脂肪が内側から圧迫してくるのです。

以前に「体重は変わらないのにお腹だけぽっこり出ている……」という悩みを聞いたことがあります。これは姿勢の乱れによって筋肉が減ったところに代わって、脂肪がついているので、数値的には大きな変化がないということでしょうか?

図式としてはそうですね。筋肉と脂肪の比率が逆転してしまっている状態です。体重の数値に大きな差がなくとも見た目に変化を感じてしまうのは、筋肉と脂肪の体積の違いにあります。驚くべきことに、脂肪の体積は筋肉のおよそ3倍!

同じ重さでも3倍も大きいとは、筋肉と脂肪の比率でだいぶ印象が変わりますね。

ただ、内臓脂肪は皮下脂肪より増えやすい反面、減りやすい性質もあるので、運動に取り組むことで早期に改善できる可能性も大いにありますよ。

姿勢悪化と脂肪増大の負のスパイラルから脱却するためには、やはり運動が欠かせませんね。

今すぐ始められる大股歩行&ドローインのススメ

とはいえ、スマホやパソコンを見ている時間が長い現代人は姿勢が乱れやすく、運動機会も希薄です。改善策はあるでしょうか?

日常の中に腹筋や体幹の筋肉を使うタイミングを作ることが大切です。そのために私が推奨しているのが「大股歩行」と「ドローイン」です。

「大股歩行」とは、つまりはいつもより歩幅を広げたら良いということでしょうか?

とてもシンプルですよね(笑)。ただ侮るなかれ、大股で歩くだけで腸腰筋という腿の付け根の筋肉にアプローチでき、骨盤の位置や傾きの改善にとても効果的です。また、前に足を蹴り出す動作によって、お尻の筋肉を使うので、骨盤の安定感も高まります。

歩幅ひとつで充分な効果が得られますね。大股っていうのは、どれくらいの幅になるでしょうか?

普段よりも高い運動強度で歩きさえすれば、厳密なルールはありませんが、目安としては普段の歩幅より1足分大きいくらいの歩幅が良いでしょう。内転筋群(ももの内側)の伸びまで感じられたらなお良いですね。

大股歩行に取り組む時間でいうと?

5分〜10分程度で構いません。あまり長時間だと習慣化できないので、普段の通勤や通学時に取り組んでいただければ

日常に組み込めると、気楽に続けられそうですね。続いて「ドローイン」ですが、これはお腹を引っ込ませて呼吸するという、基本的な体幹トレーニングのひとつですよね。姿勢の乱れによって弱まったお腹周りの筋肉を刺激することが目的でしょうか?

その通りです。ただ、ドローインのためだけに時間を設ける必要はありません。大股歩行と組み合わせて効率的に取り組んでください。つまりは、お腹を引っ込ませながら、いつもより一足分広く歩く運動を、5分〜10分行ってもらえたらOKです!

大股歩行&ドローインに取り組みながら、筋肉を使った正しい姿勢を意識してもらいたいですね。

姿勢の改善は簡単ではありませんが、将来のことを考えて始めやすいところから取り組んでもらえたらと思います。その意味でも、「歩く」という日常的な動作から正していける大股歩行&ドローインは効果的ですよ!


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