薄着になり、体のラインが目立つ夏の季節。
「筋肉で気になるあの人にアピールしたい!」「ポッコリお腹を目立たなくしたい……」。そんな人に活用してもらいたいのが、“パンプアップ”です。
パンプアップとは、トレーニング後に筋肉が一時的に肥大する現象のことを言い、ボディビル界では筋肉をより大きく、たくましく見せる方法として一般的に用いられています。
今回は、パンプアップのメカニズムと長く持続させるためのコツ、簡単にできる2分間のトレーニングを、フィットアゴー!の開発者である川人将裕と長谷川駿介がアドバイスします。ビルダーのテクニックを知って、Tシャツを格好良く着こなしましょう!
川人 将裕(かわひと まさひろ)
フィットアゴー!開発総指揮。
Tシャツはジャストサイズ派。
長谷川 駿介(はせがわ しゅんすけ)
フィットアゴー!のサービスデザイナー。
Tシャツはオーバーサイズ派。
パンプアップのメカニズム①血流量の増加
トレーニングをした後には、鍛えた筋肉の部位が張って大きくなる感覚がありますよね。このパンプアップ現象が今回のテーマです。
ボディビルの大会の舞台裏では、ほとんどの選手がステージに向けてトレーニングをしています。パンプアップの有無で、それだけ大きな見た目の差が生まれるということですね。
ビルダーでなくても、筋肉の見せ方のテクニックとして日常にも落とし込めたら面白そうですよね。ただ、そもそもの疑問として、なぜパンプアップは起きるのでしょうか?
パンプアップには大きく2つの要因があります。まず1つは、鍛えた部位の血流量が増えること。
トレーニングで筋肉に負荷をかけると、筋繊維によって血流は絞り込まれるのでは?
その分、トレーニング後には血流量が増えるんです。ぎゅっと圧力をかけられていた血管が、トレーニングが終わって筋肉が弛緩した瞬間に解放され、血液がドバッと流れ込んで行きます。
貧血状態の血管に、一気に血液が集まっていくんですね。
パンプアップのメカニズム②血中の水分量の増加
それでは2つ目の要因は?
こちらも血液に関連することで、血中の水分量が増加します。
筋肉を使ったことで生まれた乳酸を減らすためでしょうか?
乳酸のほかにもアデノシン、二酸化炭素、水素イオンといったさまざまな代謝物が蓄積されますよ。それらの濃度を水分で薄めるようなイメージです。
血液を構成する細胞と液体のうち、液体の割合が増すんですね。つまりパンプアップとは、血流量と血中の水分量の増加によって血管が拡張することで起きると?
その通りです。多量の血液が一気に流れ込んでくることで血管が太くなり、筋肉が肥大するんです。
張り巡らされた毛細血管まで太くなると思ったら、かなり大きくなりそうですね。
部分的な貧血状態と代謝物の対処としての人体の反応なので、落ち着けば元の大きさに戻るというわけです。
血管を拡張させるための充分な水分補給がコツ
パンプアップの持続時間はどれくらいでしょうか?
状態によってまちまちですね。体感として、1日中キープされることがあれば、すぐに元に戻ることもあります。
できるだけ長続きさせようと思ったら、どのようなことを意識するべきでしょう?
血中の水分量を増やすための充分な水分補給が必須です。タンパク質の摂取も欠かせません。
水分補給しながらトレーニングをして、終わったらプロテインを飲む。基本に忠実に取り組むことですね。
水分と結合する性質がある糖が不足しないように、血糖値を下げないことも一つですね。糖分過多になってはいけないので、あくまで正常値にしておくという範囲で。
個人的な感覚ですが、白米が一番パンプアップするように感じます。特に、寿司とか……(笑)。
酢飯の糖分、魚のタンパク質で構成されているわけだから、理にかなっているかも(笑)。
POF法を意識した手順でパンプアップを促進
パンプアップを促進するためには、どのようにトレーニングに取り組んだら良いでしょうか?
以前の記事で紹介したPOF法をぜひ参考にしてください。
はじめに重い負荷をかけて、次に可動域を広く使い、最後に収縮させる、というメソッドですよね?
重量で部分的な貧血状態を起こすとともに血管を広げて血流を促し、最後にギュッと閉じ込められるので、パンプアップにも非常に有効なんです。
夏といえばTシャツを着こなしたいですが、そのためにはやっぱり胸筋が大切ですよね。胸を効果的にパンプアップできるトレーニングを教えてください。
胸が張ると格好良いですよね。お腹も目立たなくなるかも。お出かけ前に自宅でサクッとできる胸のトレーニングを紹介します!
自宅で2分!パンプアップ・プッシュアップ
3種類のプッシュアップ(腕立て伏せ)を連続でトレーニング
- スタンダートプッシュアップ
両手のひらを肘の真下に置いて行う一般的な腕立て伏せ - ワイドプッシュアップ
両手のひらを肘幅より外側に置き膝をついて行う腕立て伏せ - ナロープッシュアップ
両手のひらを体の中心で揃えて行う腕立て伏せ
※膝をついてもOKなので、どうにかこうにか最後までやり切りましょう!
プッシュアップなら1畳ほどのスペースがあればすぐに実践できますね!
パンプアップの度合いは人によって異なりますが、トレーニング効果もしっかり感じられるはずですのでぜひチャレンジしてみてください!
コメント