寝つきが悪い、朝起きてもスッキリしない、疲れがとれない…つらい不眠。原因はねこ背やストレートネック、反り腰などの悪い姿勢かも⁉
「悪い姿勢は体を支える重要な脊椎（背骨）に大きな負担がかかり、自律神経のバランスが乱れます。その結果、不眠や腰痛、肩こりなどの不調が現れます」とフィットアゴー！の開発者である川人将裕さん。
「実は背骨には重要な神経がぎっしり詰まっています。姿勢を支える筋肉を鍛えると背骨のゆがみが改善され、自律神経の働きが良くなります」。今回は姿勢改善に効くワイドフルスクワットをご紹介します。
川人 将裕（かわひと まさひろ）
フィットアゴー！開発総指揮。世界クラスのアスリートも担当するトップトレーナー。もちろん毎日快眠！
不眠の原因は首とお尻あたりの神経圧迫
悪い姿勢と不調の関係は？
私は今までに５千人以上のアライメント（骨格）診断をしてきました。 以前よりスマホやパソコン作業で座りっぱなしの生活が原因で姿勢の悪化が目立ちました。さらにコロナ禍でのリモートワークなどが増え、ストレートネックやねこ背、骨盤が前傾した反り腰、背中が丸く曲がる円背、不自然に背中がまっすぐな平背など深刻な姿勢悪化が目立ちます。
悪い姿勢は、体を支える重要な脊椎（※）に大きな負担がかかり、神経が圧迫されダメージを受けます。それが原因で自律神経のバランスが乱れて不眠だけでなく、腰痛や肩こり、眼精疲労や頭痛など様々な不調があらわれます。
※脊椎は7つの頚椎、12の胸椎、５つの腰椎、仙骨（仙椎）、尾骨で構成されている
背骨（脊椎）と自律神経の関係は？
自律神経は脳からの指令を全身（循環器や消化器、筋肉、汗腺などの様々な臓器）に伝えて働きを調節しています。 背骨は自律神経の重要な伝達経路で、各器官に送る司令塔の役割を担っています。ですから私は「背骨は脳」と考えています。
自律神経
自律神経は自分の意思とは関係なく自動的に働く神経で、生命維持に必要な機能を調節している神経。交感神経と副交感神経の２種類がある。交感神経は主に日中に活発に活動していると優位になり、緊張やストレスを感じたときにも活発化する。一方、副交感神経は夕方ごろから少しずつ優位になっていき休みやすい状態へと導く。睡眠中も優位に働いて体の休息や修復に貢献する。
交感神経は胸椎（胸骨）や腰椎（腰骨）あたりから出て、副交感神経は頸椎や仙椎（骨盤・仙骨あたり）から出る。 姿勢が悪いとそれぞれの箇所からの指令が妨げられ、自律神経の働きが悪くなる。
睡眠に関係する副交感神経は首とお尻あたりですね？
はい。交感神経は胸、腰あたりから出て、副交感神経は首及び骨盤・仙骨あたりから出ます。単純に考えると不眠の原因は、首と骨盤あたりのゆがみによって睡眠に大切な副交感神経を圧迫していると考えられます。
しかし重要なのは自律神経を圧迫しない正しい姿勢。そして姿勢を保持する筋肉強化です。まずは、姿勢のセルフチェックをおすすめします。
姿勢セルフチェック＆正しい姿勢を保持する筋肉強化
正しい姿勢とは？
ファッションモデルのように首、背中、腰、膝と一直線の姿勢を正しい姿勢と思いがちですが、それは間違いです。特に、一見姿勢がよく見える反り腰や背骨がまっすぐすぎる平背は、骨盤が前傾・後傾しているので背骨がバランスをとろうとして変形します。
一番大事なのは、背骨（脊椎）の頚椎、胸椎、腰椎などそれぞれの部位に適正な角度がある生理的湾曲（S字カーブ）。体に負担をかけないために重要な役割を担っています。
あなたは大丈夫？姿勢セルフチェック
□スマホやパソコン作業で前かがみの姿勢が長時間続くことが多い
□足を組む癖がある
□座っていると背中を丸めてしまう
□頬杖をつく癖がある
□立っているとき、脚をクロスしたり、片側に重心をかけてしまう
□椅子に浅く座っていた方がラクな気がする
□荷物を左右の肩や手で持つ
１つでもチェックがある場合は、正しい姿勢改善筋トレに取り組んで！
姿勢改善方法は？
姿勢が崩れやすくなるのは、体幹の筋肉低下です。正しい姿勢を保つためには、手足の関節がしっかり動くように維持することや、体幹と下肢（脚部）の筋肉を保持・増強するための運動が大切です。
姿勢改善のためにおすすめなのは、スクワットの中でも動かす範囲（可動域）を重視したワイドフルスクワット。特に股関節の可動域を重視し、柔軟性も高めます。
基礎代謝や心肺機能アップも期待できます。 入浴前後のいずれかで10回程度行ってください。
姿勢改善「ワイドフルスクワット」
椅子を前において軽く片手をおく。足を肩幅より広めに開き、つま先は外に向ける。肩甲骨を寄せて、背中を丸めないように注意して腰をできるだけさげていく。目線はさげないように前を向く。
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