プロテインの摂りすぎで内臓にダメージ!?健康に筋肉をつくるための上手な付き合い方

健康

パウダーをはじめ、ドリンクやバーなどさまざまな商品に展開され、今やコンビニにも定番品として並ぶようになったプロテイン。

食事だけでは不足しがちなタンパク質を一気に摂取できる便利な栄養補助食品として、一見万能にも思えますが、実は内臓にダメージを及ぼすリスクを孕んでいることを知っていましたか? 今回は、プロテインの過剰な摂取が及ぼす体への悪影響と、健康的に筋肉を育てるためのプロテインとの上手な付き合い方を、フィットアゴー!の開発者である川人将裕と長谷川駿介が解説します。


川人 将裕(かわひと まさひろ)

フィットアゴー!開発総指揮。お気に入りのプロテインパウダーはファインラボのピュアアイソレート。

長谷川 駿介(はせがわ しゅんすけ)

フィットアゴー!のサービスデザイナー。お気に入りのプロテインパウダーはオプティマムニュートリションのゴールドスタンダード。


プロテイン=タンパク質の理想的な摂取量を補助する食品

筋トレの必需品としてプロテインを日常的に摂取する人が増えてきました。プロテインとは日本語で「タンパク質」。筋肉を合成するにおいて欠かせない栄養素ですよね。

筋肉の素となる栄養素ですね。市販されているプロテイン商品は、タンパク質をパウダーにしたものや、そのパウダーを飲み物や食べ物に混ぜたものが主になります。

タンパク質のほかに、吸収を促進するビタミンB群などの栄養素も配合していますよね。そのブレンドで商品ごとの個性を出しているイメージです。

逆にタンパク質しか入っていない「アイソレート」という種類もありますよ。自分で栄養素を組み合わせたい上級者向けの商品ですね。味わいもかなりストイックなので注意してください……(笑)。

最近は美味しいものばかりですから余計に驚きそうですね……(笑)。プロテインは原材料も、ホエイ・ソイ・カゼイン・ヘンプなど多種多様で、はじめは選ぶのに悩みそうです。

乳清とも呼ばれるホエイは、ヨーグルトの上澄みのようなもの。プロテインの原材料の中でも吸収速度が高いと言われており、特に人気ですよ。ソイは大豆製で女性ホルモンに関わることから、女性によく飲まれているようです。

れだけ商品展開がなされているのは、トレーニング人口の増加ももちろんあるかとは思いますが、やはりタンパク質自体が摂りづらい栄養素だからでしょうか?

タンパク質の理想的な摂取量は、1日につき体重×1gとされています。毎日に近い頻度でトレーニングをする上級者やスポーツ選手なら、その倍くらい摂りたいという人もいるでしょう。一方で、タンパク質を豊富に含有する食材でも、摂取できるタンパク質はその質量のうちの20%ほど。特に高いマグロでも25%に留まります。

体重65kgの男性で、1日にマグロを260gも食べないとならないとなると現実的ではありませんね。タンパク質摂取の補助として、プロテインはかなり便利そうです。

タンパク質の理想的な摂取量=体重×1g/日

摂りすぎは腎臓・肝臓・膵臓へのダメージに

タンパク質の摂取としてはもちろん有用なのですが、実を言うと私はプロテインをあまり推奨していないんです。

それは意外でした。なぜですか?

便利すぎるものにはデメリットもあるもので、内臓にダメージを与えるリスクを孕んでいるんです。

そういえば以前に、プロテインが腎臓へ悪影響を与えるという話を聞いたことがありますね……。

タンパク質の代謝ではアンモニアが分泌されます。その処理を担うのが腎臓で、代謝された尿素を腎臓が濾過します。人工的に吸収速度を高められているプロテインが、これらの臓器の能力を超過することで、負担がかかる恐れがあるんです。

筋肉へのメリットが臓器へのデメリットになってしまうんですね……。

ほかにも、関連して働く膵臓などの能力減退も起こり得ると私は考えています。

手軽に吸収できてしまうために、本来働くべき臓器がサボってしまうような?

その通りです。タンパク質をはじめ全ての栄養は、咀嚼して、唾液を出して、胃酸で溶かして……と、自然なフローで摂取するべきだと私は考えています。便利すぎるプロテインによって、臓器にしわ寄せがいくリスクも忘れないでもらいたいです。

全身に目を向けて栄養を摂取していくことが大切ですね。臓器も筋肉と同じく、しっかり動かさなくては!

とは言え、決してプロテインを飲んではいけないというわけではありません。先ほど長谷川さんは「補助として」と言っていましたよね。この考え方に賛成です。推奨はしませんが、栄養補助として活用する分には問題ないと思いますよ!

何事もバランスが重要ですね。以前にタンパク質を体重×3gほども摂っていた時期があったのですが、その際には便と屁の悪臭にも悩まされました……(笑)。

アンモニアがめちゃめちゃ出ますからね……(笑)。エチケットのためにも、プロテインはほどほどに!

プロテインの適正なタイミングはトレーニングの前後

トレーニングに日常的に取り組んでいる私としては、やはりプロテインは摂取しておきたいです。どのように摂るのが補助的な活用として適正でしょうか?

やはり筋合成に関わるトレーニングのタイミングでしょう。

最近では食事をプロテインに置き換えてダイエットをする人がいるようですが、それはしないほうがよさそうですね。

食品の代わりにしてしまうと、それこそ内臓へのリスクにつながるので、あくまで筋肉への栄養として考えてもらいたいです。

では具体的に、トレーニング時にどのような方法で摂るべきでしょうか?

こんな感じがオススメです!

鍛えた後はイメージがつきやすいですが、前も必要なんですね?

トレーニング前にプロテインを摂れると、筋分解を抑制することができます。トレーニング時に栄養が足りていないと、筋肉をエネルギーとして筋肉を鍛えることになってしまいますからね。

エネルギー補給としての目的であれば、プロテイン以外のものでも代用可能でしょうか?

はい。むしろエネルギーとしては糖質が最適なので、マルトデキストリンといった糖質を配合した飲料を30分前に摂取できると理想です。おにぎりなどの固形物なら1時間前が良いですね。

では、トレーニング後は? よくフィットネスジムでトレーニング終わりにプロテインを飲んでいる人を見かけます。

筋合成はトレーニング開始30分後くらいから始まるので、筋肉の材料を供給するためにすぐさま摂るのがベストなんです。トレーニング中から飲んでしまって良いくらい。

プロテインって結構もったりしているので、運動中にはあまり向かないですよね……(笑)。

そうなんです(笑)。なので、トレーニング直後で構いません。あるいは、トレーニング中にBCAAドリンクを飲むのもアリですね。

BCAAは筋合成に関わる必須アミノ酸3種のことですよね。

タンパク質はアミノ酸が結合された物質なのですが、BCAAはあらかじめ分解されているので、多量は摂れないものの吸収がスムーズなので運動中にはぴったりなんです。

集中力を高める効果も期待できますよね。トレーニングの効率向上に良さそうです。

血中のアミノ酸が爆上がりするので飲みすぎには注意してください。それと、BCAA は高価なのでお財布とも相談かな……(笑)。

身体的にも経済的にも無理なくが一番ですね(笑)。


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